【2026年版】労務担当者のための実務カレンダー(法改正付き)
📣注目ポイント:記事の最後にダウンロード可能な「人事労務 実務カレンダー
(2026年法改正付き)」をご用意しています。ご活用ください。
労務担当者は、給与計算など毎月の定例業務のほか、年に1回から数回発生する年間業務、
さらには随時発生する業務にも対応しなくてはなりません。
そのためにも年間スケジュールを把握し、段取りよく業務を進めることが大切です。
今回の記事では、労務担当者の業務について、2026年の法改正も交えながら月別に解説します。
1月の業務
【法定調書の提出】
2025年の年末調整業務の完了後、源泉徴収票や支払調書などの法定調書を
法定調書合計表とともに提出します。
(提出期限)2026年2月2日(月)(※1)
(提出先)管轄の税務署
※1:原則1月31日。土日祝にあたる場合はその翌々日または翌日(平日)
【給与支払報告書の提出】
2025年の年末調整業務の完了後、給与支払報告書を総括表とともに提出します。
(提出期限)2026年2月2日(月)(※2)
(提出先)2026年1月1日現在(退職の場合は退職日現在)における従業員の住所地の市区町村
※2:原則1月31日。 土日祝にあたる場合はその翌々日または翌日(平日)
【労働保険料の納付期限(第3期)】
労働保険料を3回に分割して納付する企業は、第3期の労働保険料を支払います。
(納付期限)2026年2月2日(月)(※3)(※4)
(納付方法)金融機関で窓口納付、口座振替、電子納付
※3:原則1月31日。土日祝にあたる場合はその翌々日または翌日(平日)
※4:労働保険事務組合に委託している場合は、事務組合から連絡される納付の日付をご確認ください。
【労働者死傷病報告の提出(10月〜12月分)】
休業4日未満の労働災害が発生した場合に提出します。
(提出期限)2026年2月2日(月)(※5)
(提出先)管轄の労働基準監督署
※5:原則1月31日。土日祝にあたる場合はその翌々日または翌日(平日)
【源泉所得税の納期の特例(7月~12月分)】
従業員数10人未満で、納期の特例制度の適用を受けている企業は、
7月~12月分の源泉所得税を納付します。
(納付期限)2026年1月20日(火)
(納付方法)管轄の税務署または金融機関で窓口納付、キャッシュレス納付、コンビニ納付
【36協定の届出】※時期は企業による
36協定の有効期限を迎える場合、再締結および届出を行います。
(届出期限)新たな有効期間の開始日(例:1月1日)
(届出先)管轄の労働基準監督署
【法改正情報】
2026年1月には、以下の法改正が実施されます。
3月の業務
【健康保険料率・介護保険料率の改定】
3月分から、健康保険料および介護保険料の料率が変わります。
協会けんぽなど各保険者から発表される新たな保険料率を確認し、
給与計算システムの設定の見直しを行います。
4月の業務
【雇用保険料率の改定】
4月分から、雇用保険料の料率が変わります。
【労働者死傷病報告の提出(1月〜3月分)】
休業4日未満の労働災害が発生した場合に提出します。
(提出期限)2026年4月30日(木)
(提出先)管轄の労働基準監督署
【新入社員の入社手続き】※時期は企業による
・社会保険、雇用保険の資格取得手続き
・労働条件通知書や労働者名簿の作成
・雇入れ時の健康診断の実施 など
【人事異動、昇進や昇格などの対応】※時期は企業による
・辞令交付の準備
・昇進や昇格・降格などに伴う給与改定
・社会保険、雇用保険の手続き(転勤などで勤務する事業所が変更したとき。
ただし、一括適用されている事業所は手続き不要。)
【定期健康診断の実施】※時期は企業による
定期健康診断は、毎年1回従業員に受診させなければなりません。
従業員数50人以上の企業は労働基準監督署に結果報告が必要です。
なお、以下の健康診断も実施義務があるためご留意ください
(有害な業務を行う従業員には、さらに別の健康診断が必要な場合があります)。
(出典)厚生労働省『労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう~労働者の健康確保のために~』(一部抜粋して掲載)
【法改正情報】
2026年4月には、以下の法改正が実施されます。
5月の業務
【障害者雇用納付金の申告および納付、障害者雇用調整金などの申請】
常時雇用する従業員数が100人を超える企業は、2026年5月15日(金)までに
申告および納付、または申請が必要です(従業員数100人以下の企業は、「7月の業務」をご確認ください)。
6月の業務
【労働保険の年度更新】
労働保険料について以下の手続きを行います。
・前年度の確定保険料の申告および概算保険料の精算
・新年度の概算保険料の申告および納付
(申告および保険料納付の期間)2026年6月1日(月)から2026年7月10日(金)(※1)
(申告書の提出方法)電子申請、郵送(封筒に記載されている送付先)、持参(※2)
(納付方法)金融機関で窓口納付、口座振替、電子納付
※1:労働保険料の納付を3回に分割して支払う企業は、第1期の労働保険料を支払う
※2:管轄の都道府県労働局、労働基準監督署、社会保険・労働保険徴収センター、金融機関(口座振替の場合は不可)
なお、労働保険の電子申請が義務付けられている事業場は、2026年度から紙の申告書が届きません。
くわしくは厚生労働省の資料にてご確認ください。
参考|厚生労働省『2020年4⽉から特定の法人について電子申請が義務化されます。』
【住民税額の更新】
住民税は、前年の所得に基づいて1年間の税額が決められます。
各市区町村から「特別徴収税額の決定通知書」が企業に届き、通知された年税額は、
6月から翌年5月の12か月に分けて給与から徴収します。
そのため、あらかじめ給与計算システムの住民税額を更新しておきます。
【住民税の納期の特例(前年12月~5月分)】
従業員数10人未満で、納期の特例制度の適用を受けている企業は、
前年12月〜5月分の住民税を納付します。
(納付期限)2026年6月10日(水)
(納付方法)金融機関で窓口納付、キャッシュレス納付 など
【高年齢者雇用状況報告書・障害者雇用状況報告書の提出】
毎年6月1日現在の高年齢者や障害者の雇用状況を報告します。
障害者雇用状況報告の提出対象は、従業員数40人以上の企業です。
(提出期間)2026年7月15日(水)
【新規高卒者のハローワークによる求人申込の受付開始】
来春高校卒業予定者の採用を考えている企業は、毎年厚生労働省から発表される
採用選考期日を参考に採用計画を立てることをおすすめします。

(出典)厚生労働省『令和8年3月新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考期日等を取りまとめました』(一部抜粋して掲載)
7月の業務
【算定基礎届の届出(定時決定)】
健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額と現在の報酬とのあいだに大きな差が生じないように、企業は毎年4月〜6月の報酬月額を届出します。届出した内容をもとに、その年の9月分から翌年8月までの標準報酬月額が日本年金機構により決定されます。
(届出期限)2026年7月10日(金)
(届出先)事務センター、管轄の年金事務所
【賞与の支給、賞与支払届の届出】※時期は企業による
賞与を支払った企業は、「被保険者賞与支払届」を提出します。
なお、日本年金機構に登録している賞与支払予定月に賞与を支給しなかった場合は、
賞与不支給報告書の提出が必要です。
(届出期限)賞与支払日から5日以内
(届出先)事務センター、管轄の年金事務所
【労働者死傷病報告の提出(4月〜6月分)】
休業4日未満の労働災害が発生した場合に提出します。
(提出期限)2026年7月31日(金)
(提出先)管轄の労働基準監督署
【源泉所得税の納期の特例(1月~6月分)】
従業員数10人未満で、納期の特例制度の適用を受けている企業は、
1月〜6月分の源泉所得税を納付します。
(納付期限)2026年7月10日(金)
(納付方法)管轄の税務署または金融機関で窓口納付、キャッシュレス納付、コンビニ納付
【障害者雇用の報奨金、在宅就業障害者特例報奨金の申請】
常時雇用する従業員が100人以下の企業は、2026年7月31日(金)までに申請が必要です
(従業員数100人超の企業は、「5月の業務」をご確認ください)。

【法改正情報】
2026年7月には、以下の法改正が実施されます。
9月の業務
【社会保険料の改定(定時決定の結果反映)】
定時決定により見直しされた標準報酬月額は、9月分の社会保険料から適用されます。
ただし、7月〜9月の随時改定に該当する場合は、随時改定による標準報酬月額が優先されます。
10月の業務
【地域別最低賃金の改定による賃金の見直し】
地域別最低賃金を下回る従業員がいる場合は、最低賃金以上への賃金引上げが必要です。
なお、地域別最低賃金は例年10月に改定されますが、2025年は11月以降に改定された
都道府県も多くありました。2026年も発効日に注意が必要です。
【労働者死傷病報告の提出(7月〜9月分)】
休業4日未満の労働災害が発生した場合に提出します。
(提出期限)2026年11月2日(月)(※)
(提出先)管轄の労働基準監督署
※原則10月31日。土日祝にあたる場合はその翌々日または翌日(平日)
【労働保険料の納付期限(第2期)】
労働保険料を3回に分割して納付する企業は、第2期の労働保険料を支払います。
(納付期限)2026年11月2日(月)(※1)(※2)
(納付方法)金融機関で窓口納付、口座振替、電子納付
※1:原則10月31日。土日祝にあたる場合はその翌々日または翌日(平日)
※2:労働保険事務組合に委託している場合は、事務組合から連絡される納付の日付をご確認ください。
【法改正情報】
2026年10月には、以下の法改正が実施されます。
11月の業務
【被扶養者状況リストの提出】※時期は保険者による
従業員の健康保険上の扶養家族について、収入など現在の状況を確認して
まとめたリストを提出します。
なお、協会けんぽは毎年11月頃に実施しますが、健康保険組合の実施時期は組合ごとによって異なります。
(提出先)協会けんぽや健康保険組合などの保険者
12月の業務
【年末調整】
年末調整の業務は、従業員に提出を求める申告書が数種類あり、
添付書類も従業員によって異なるなど大変煩雑です。
多くの労務担当者にとって1年で一番忙しい時期になることから、早めの準備をおすすめします。
【住民税の納期の特例(6月~11月分)】
従業員数10人未満で、納期の特例制度の適用を受けている企業は、6月〜11月分の住民税を納付します。
(納付期限)2026年12月10日(木)
(納付方法)金融機関で窓口納付、キャッシュレス納付 など
【賞与の支給、賞与支払届の提出】※時期は企業による
賞与を支払った企業は、「被保険者賞与支払届」を提出します。
なお、日本年金機構に登録している賞与支払予定月に賞与を支給しなかった場合は、
賞与不支給報告書の提出が必要です。
(提出期限)賞与支払日から5日以内
(提出先)事務センター、管轄の年金事務所
【ストレスチェックの実施】※時期は企業による
メンタルヘルスの不調を未然に防ぐため、従業員数50人以上の企業に対して、
ストレスチェックの実施が義務付けられています。
毎月の定例業務、随時発生する業務
ここまで年間の業務を解説しましたが、当然ながら毎月の定例業務も
並行して行わなければなりません。
さらに人の動きや人事制度の変更、法改正等に伴い随時発生する業務も数多くあります。
人事労務の実務カレンダー
労務担当者は、漏れなく確実に業務を行うため、月ごとおよび1年の見通しをたてながら
作業を進める必要があります。
以下は人事労務の実務カレンダーです。
2026年の法改正も記載していますので参考にしてください。
参考・ダウンロード| 『人事労務 実務カレンダー(2026年法改正付き)』
おわりに
労務担当者は、企業そして従業員を支える役割を担っています。
実務では、法令等の専門知識が求められるうえ、細かい作業や、
期限のある手続きも多く発生します。
多くの業務を円滑に進めるためにも、法改正対応を含めた2026年の年間スケジュールを
把握しておくことをおすすめします。


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