【基礎知識】企業が採用活動で押さえておきたい年齢制限の基本と例外
企業が従業員を募集・採用するときに年齢制限を設けることは、労働施策総合推進法により、原則として禁止されています。
年齢によらず、個人の能力や適性を基準に募集・採用を行うことで、より均等な就労機会を提供できるようになります。
少子高齢化が進む日本においては、年齢に関係なく活躍できる環境を整えることが、経済の持続的な成長のためにも重要であると考えられています。
今回の記事では、募集・採用における年齢制限の原則とその例外について、改めて確認をしていきます。
年齢制限の禁止ルール
企業の採用情報は、自社のサイト、民間の職業紹介事業者、求人広告、ハローワークなど、さまざまな媒体で提供されます。
これらすべての媒体で、募集・採用において年齢制限を設けてはならないという原則が適用されます。
求人票に単に「年齢不問」と記載すればよいということではなく、実際の選考過程において年齢を理由に応募を断る、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決定する、といった対応は認められません。
さらに、応募者の年齢を理由に求人条件(雇用形態や職種など)を変更することも認められません。
また、この年齢制限を禁止するルールは、正社員だけでなく、パート・アルバイト、派遣など、雇用形態を問わず適用されます。
年齢制限が認められる例外事由と具体例
原則として募集・採用において年齢制限を設けることはできませんが、例外として、以下①〜⑥において一定の要件を満たした場合は年齢制限が認められます。
なお、年齢制限の上限を65歳未満とするときは、高年齢者雇用安定法の定めにより、企業は求職者などに対して、年齢制限の理由を書面や電子媒体により明示しなければなりません。
65歳以上の制限を設ける場合は、年齢制限の理由の明示義務はありませんが、法令に違反していない年齢制限であることを明確にするために、制限理由を明示することが望ましいとされています。
①定年年齢を上限として、その上限年齢未満の人を期間の定めのない労働契約にて募集・採用する場合
年齢によらず、個人の能力や適性を基準に募集・採用を行うことで、より均等な就労機会を提供できるようになります。
少子高齢化が進む日本においては、年齢に関係なく活躍できる環境を整えることが、経済の持続的な成長のためにも重要であると考えられています。
今回の記事では、募集・採用における年齢制限の原則とその例外について、改めて確認をしていきます。
この記事のポイント
- 労働施策総合推進法により、募集・採用における年齢制限は原則として禁止されている。
- 定年制や法令遵守、長期キャリア形成など、一定の要件を満たす6つの例外事由に限り制限が認められる。
- 年齢ではなくスキルや適性を基準にすることで、人材確保の幅が広がりミスマッチ防止にもつながる。
年齢制限の禁止ルール
企業の採用情報は、自社のサイト、民間の職業紹介事業者、求人広告、ハローワークなど、さまざまな媒体で提供されます。
これらすべての媒体で、募集・採用において年齢制限を設けてはならないという原則が適用されます。
求人票に単に「年齢不問」と記載すればよいということではなく、実際の選考過程において年齢を理由に応募を断る、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決定する、といった対応は認められません。
さらに、応募者の年齢を理由に求人条件(雇用形態や職種など)を変更することも認められません。
また、この年齢制限を禁止するルールは、正社員だけでなく、パート・アルバイト、派遣など、雇用形態を問わず適用されます。
年齢制限が認められる例外事由と具体例
原則として募集・採用において年齢制限を設けることはできませんが、例外として、以下①〜⑥において一定の要件を満たした場合は年齢制限が認められます。
なお、年齢制限の上限を65歳未満とするときは、高年齢者雇用安定法の定めにより、企業は求職者などに対して、年齢制限の理由を書面や電子媒体により明示しなければなりません。
65歳以上の制限を設ける場合は、年齢制限の理由の明示義務はありませんが、法令に違反していない年齢制限であることを明確にするために、制限理由を明示することが望ましいとされています。
①定年年齢を上限として、その上限年齢未満の人を期間の定めのない労働契約にて募集・採用する場合

定年年齢を上限に募集・採用する場合、「定年の定めがあること」かつ「期間の定めのない労働契約であること」という2つの要件を満たす必要があります。
なお、定年とは、期間の定めのない従業員が会社で働き続けられる上限の年齢を指します。
そのため、期間の定めのある労働契約の募集において年齢制限を行った場合は、法令違反となります。
②労働基準法その他の法令の規定により年齢制限が設けられている場合
なお、定年とは、期間の定めのない従業員が会社で働き続けられる上限の年齢を指します。
そのため、期間の定めのある労働契約の募集において年齢制限を行った場合は、法令違反となります。
②労働基準法その他の法令の規定により年齢制限が設けられている場合

危険物や重量物を取り扱う業務や警備業などでは、18歳未満の人は法令上働くことができません。
法令上、特定の年齢層の就労を制限している業務については、募集・採用を行うときに年齢制限を設けることができます。
③長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
法令上、特定の年齢層の就労を制限している業務については、募集・採用を行うときに年齢制限を設けることができます。
③長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

この例外は、期間の定めのない労働契約として若年者等を募集・採用する場合が対象となります。
長期的な雇用を前提として人材を育成していくことを目的としています。
厚生労働省によると「若年者等」とは基本的には35歳未満の人が想定されるものの、必ずしも35歳未満に限られるものではないとされています。
ただし、定年を定めている企業の場合、上限年齢と定年年齢とのあいだの期間が極端に短くなるような募集・採用は認められません(上限年齢の設定は、おおむね45歳未満が目安です)。
この例外事由を理由に上限年齢を定めた募集・採用を行うには、以下の2点の要件を満たす必要があります。
④技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において従業員が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合
長期的な雇用を前提として人材を育成していくことを目的としています。
厚生労働省によると「若年者等」とは基本的には35歳未満の人が想定されるものの、必ずしも35歳未満に限られるものではないとされています。
ただし、定年を定めている企業の場合、上限年齢と定年年齢とのあいだの期間が極端に短くなるような募集・採用は認められません(上限年齢の設定は、おおむね45歳未満が目安です)。
この例外事由を理由に上限年齢を定めた募集・採用を行うには、以下の2点の要件を満たす必要があります。
- 職業経験を不問とする(職務経験を要する免許資格の保有を求めることも不可)
- 新卒者以外の若年者等も対象とする場合、新卒者と同様の育成(訓練・育成体制、配置・処遇)を予定していること
④技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において従業員が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

この例外は、「特定の職種」において、「相当程度少ない特定の年齢層」が存在する場合に、その年齢層を対象として、期間の定めのない労働契約で募集・採用することが認められるものです。
【特定の職種とは】
専門的な技能の継承が求められる職種をいいます。
(例)
・機械、電気技術者における電気通信技術者
・農林水産業、食品技術者における水産技術者
・家庭生活支援サービス職業従事者におけるホームヘルパー など
具体的な職種名については、厚生労働省「職業分類」の小分類(細分類は原則廃止)、総務省「職業分類」の小分類を参考にしてください。
参考|厚生労働省ハローワークインターネットサービス『厚生労働省編職業分類(令和4年改定)』
参考|総務省『日本標準職業分類(平成21年12月告示)』分類項目表
【相当程度少ない特定の年齢層とは】
「特定の年齢層」とは30~49歳の範囲において5~10歳幅で区切った年齢層のことです。
このうち、上下の年齢層(※)と比較して、従業員数が1/2以下(0人の場合も含む)である特定の年齢層を「相当程度少ない特定の年齢層」といいます。
※特定の年齢層と同じ年齢幅で区切っていること
以下は、この例外の「認められる例」として挙げた、30~39歳の電気通信技術者を募集するケースを図解しています。
この場合の特定の年齢層は、30歳~39歳です。
上下の年齢層である20歳~29歳、40歳~49歳の層と比較して従業員数が1/2以下となっています。
【特定の職種とは】
専門的な技能の継承が求められる職種をいいます。
(例)
・機械、電気技術者における電気通信技術者
・農林水産業、食品技術者における水産技術者
・家庭生活支援サービス職業従事者におけるホームヘルパー など
具体的な職種名については、厚生労働省「職業分類」の小分類(細分類は原則廃止)、総務省「職業分類」の小分類を参考にしてください。
参考|厚生労働省ハローワークインターネットサービス『厚生労働省編職業分類(令和4年改定)』
参考|総務省『日本標準職業分類(平成21年12月告示)』分類項目表
【相当程度少ない特定の年齢層とは】
「特定の年齢層」とは30~49歳の範囲において5~10歳幅で区切った年齢層のことです。
このうち、上下の年齢層(※)と比較して、従業員数が1/2以下(0人の場合も含む)である特定の年齢層を「相当程度少ない特定の年齢層」といいます。
※特定の年齢層と同じ年齢幅で区切っていること
以下は、この例外の「認められる例」として挙げた、30~39歳の電気通信技術者を募集するケースを図解しています。
この場合の特定の年齢層は、30歳~39歳です。
上下の年齢層である20歳~29歳、40歳~49歳の層と比較して従業員数が1/2以下となっています。

⑤芸術・芸能の分野における表現の真実性などの要請がある場合

作品の表現上、年齢によるリアリティが重要となるモデルや役者については、特定の年齢層に限定した募集・採用が認められています。
⑥60歳以上の高年齢者、または特定の年齢層の雇用を促進する政策の対象となる人に限定して募集・採用する場合
⑥60歳以上の高年齢者、または特定の年齢層の雇用を促進する政策の対象となる人に限定して募集・採用する場合

60歳以上に限定した募集・採用であれば、年齢制限を設けることが可能です。
また、国が実施する雇用促進施策を活用するため対象となる年齢層に限定して募集・採用する場合も、年齢制限が認められます。
具体的な施策名については、以下の厚生労働省のQ&Aにある別添「特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用の促進に係る国の施策」を参考にしてください。
参考|厚生労働省『労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A』P24-27
以下のサイトにて、例外として年齢制限が認められる場合①~⑥の例と解説の資料を確認できます。
参考|厚生労働省『その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?』2.例外として年齢制限が認められる場合があります
企業が押さえておきたいポイント
年齢から想像される体力・能力といった一般的なイメージなどを基準に募集・採用を行うと、本来求める人材を逃す可能性があります。
年齢ではなく、業務を適切に遂行できるかを基準に募集・採用を行うためには、必要なスキル・経験・資格を求人内容に具体的に落とし込むことが重要です。
また、国が実施する雇用促進施策を活用するため対象となる年齢層に限定して募集・採用する場合も、年齢制限が認められます。
具体的な施策名については、以下の厚生労働省のQ&Aにある別添「特定の年齢の範囲に属する労働者の雇用の促進に係る国の施策」を参考にしてください。
参考|厚生労働省『労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A』P24-27
以下のサイトにて、例外として年齢制限が認められる場合①~⑥の例と解説の資料を確認できます。
参考|厚生労働省『その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?』2.例外として年齢制限が認められる場合があります
企業が押さえておきたいポイント
年齢から想像される体力・能力といった一般的なイメージなどを基準に募集・採用を行うと、本来求める人材を逃す可能性があります。
年齢ではなく、業務を適切に遂行できるかを基準に募集・採用を行うためには、必要なスキル・経験・資格を求人内容に具体的に落とし込むことが重要です。

このように求人内容を整備することで、募集業務に対応できる人材を幅広く集めることが可能となり、より的確な人材の確保につながると考えられます。
おわりに
年齢にとらわれず、業務に必要なスキル・経験・資格を基準として募集・採用を行うことで、応募者数の増加が期待できます。
さらに、求める人物像を明確にすることで、採用のミスマッチ防止にもつながります。
また、募集・採用における年齢制限禁止の原則や、法令で定められた例外に反する対応を行った場合、行政による助言・指導・勧告の対象となることがあります。
単に求人票の記載内容の修正を求められるだけでなく、企業イメージの低下や採用活動全体への悪影響につながるおそれもあるため、注意が必要です。
企業は、人材確保と企業価値の向上を図るため、自社の採用活動が適正であるかを随時見直すことが重要です。
おわりに
年齢にとらわれず、業務に必要なスキル・経験・資格を基準として募集・採用を行うことで、応募者数の増加が期待できます。
さらに、求める人物像を明確にすることで、採用のミスマッチ防止にもつながります。
また、募集・採用における年齢制限禁止の原則や、法令で定められた例外に反する対応を行った場合、行政による助言・指導・勧告の対象となることがあります。
単に求人票の記載内容の修正を求められるだけでなく、企業イメージの低下や採用活動全体への悪影響につながるおそれもあるため、注意が必要です。
企業は、人材確保と企業価値の向上を図るため、自社の採用活動が適正であるかを随時見直すことが重要です。


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